歌唱技術「フェイク」で表現力をアップさせよう｜ボーカルスクールVOAT

―始めに

コンサートやテレビ番組など、歌手の歌を聴いている時「原曲と違う歌い方をしているなぁ。でもカッコいい！」と思ったことはありませんか？
これがフェイクと呼ばれるテクニックです。歌が上手い人は皆使っているこのテクニック。今回はこのフェイクについての解説とやり方をお伝えします。これを読んで、あなたも自由で表現力豊かな歌を歌ってみませんか？

■ 歌の「フェイク」とはどんな意味？

「フェイク」とは元々「にせもの」「模造品」といった意味がありますが、歌においては原曲の音程やリズムを変えて歌うことを言います。ただデタラメに変えてしまうと、音のはずれた歌になってしまうので、ある程度は音楽的ルールの中で変化をつける必要があります。
これにより感情表現が広がり、自分だけのオリジナリティある歌になります。

■ フェイクの種類

フェイクは大きく3種類に分ける事ができます。それぞれの特徴を説明します。

?リズムフェイク

リズムフェイクとは、楽曲の音程はそのままで音符の長さを変えたり、表拍のところを裏拍から入るなど変化をつける技法になります。
あえてリズムを崩して歌うことでインパクトを付けることができます。
フェイクの中では比較的やりやすいと思います。

?メロディーフェイク

メロディーフェイクは、リズムはそのままで音程を少し変えて歌う
技法になります。
原曲のメロディーが分からないほど変えてしまうと別の曲になってしまうので、原曲が分かる程度で数音変えるのが一般的です。　　　

?装飾音フェイク

装飾音フェイクは、メロディーの一部分を崩しながら細かい装飾を加える技法になります。
カラオケ採点に出てくる「しゃくり」「こぶし」「フォール」も装飾音フェイクにあたります。
また、装飾音フェイクのステップアップ版として、いくつか種類があります。

＊トリルフェイク...最初に出した音より高い音を取った後すぐに最初の音に戻るフェイクになります。

＊言い直しフェイク...アクセントをつけて音を言い直すフェイクになります。

＊階段フェイク...階段を降りるようなイメージで音を段階的に落としていくフェイクになります。

■ フェイクのやり方とコツ

最初からオリジナルでフェイクに挑戦するより、プロの真似をすることからはじめてみましょう。
その方が分かりやすく自然と体に馴染んでいきやすいので、様々なアーティストの楽曲を繰り返し聞いてパターンを増やしていきましょう。
また、フェイクをやる上で原曲の音程、リズムが分かっていることが大前提になります。
その上で崩すからこそカッコ良くなりますが、ベースがよれていると「音程やリズムがずれている人」になりやすいので注意しましょう。

【ポイント】
・全身リラックス
・ドラムなどのリズム楽器をしっかりと聞く。
・楽曲のキーやコードを踏まえて音を捉える。
・細かく動かす音を１つ１つしっかりと鍵盤などで把握する。

ただし、フェイクはアクセントとして耳に残りやすいので、多用しすぎるとしつこく感じてしまうので気を付けましょう。